茨城県の穴場観光スポットをエリア別に完全ガイド
茨城県と聞いて、「観光地のイメージが薄い」と感じる方は少なくありません。都道府県魅力度ランキングで下位の常連として語られることも多い茨城県ですが、実はそれこそが穴場スポットの宝庫である証拠でもあります。観光客が集中しないからこそ、混雑を避けてゆったりと絶景や自然を楽しめる場所が数多く残されているのです。
個人的に茨城県内のさまざまなスポットを巡ってきた経験から言えるのは、「有名観光地の隣に、驚くほど静かな名所がある」ということ。偕楽園や国営ひたち海浜公園だけが茨城ではありません。この記事では、定番スポットでは味わえない茨城県の穴場観光地を、エリア別・目的別に徹底的にご紹介します。
この記事で学べること
- 定番観光地の近くにある「混雑回避できる」穴場スポットの具体的な場所
- 季節ごとに訪れるべきベストタイミングと見頃の時期
- 家族・カップル・ひとり旅それぞれに最適な穴場の選び方
- チームラボなど最新アート施設を含む新しい茨城の楽しみ方
- 効率よく穴場を巡れるドライブルートとモデルコースの組み方
県北エリアの絶景穴場スポット
茨城県の北部は、山間部の渓谷や滝など、自然の絶景が集中するエリアです。袋田の滝や竜神大吊橋は有名ですが、そのすぐ近くにも知られざる名所が点在しています。東京から車で約2〜3時間というアクセスながら、週末でも驚くほど静かに過ごせるのが県北エリアの魅力です。
竜神大吊橋
常陸太田市にある竜神大吊橋は、全長375メートルという歩行者専用の吊り橋としては本州有数の長さを誇ります。竜神ダムの上に架かる橋からの眺望は圧巻で、特に秋の紅葉シーズンには眼下に広がる渓谷が赤や黄色に染まります。バンジージャンプも楽しめることで知られていますが、実は早朝の時間帯に訪れると、朝霧に包まれた幻想的な風景を独り占めできます。紅葉の見頃は例年11月上旬から中旬にかけてです。
本州有数の長さを誇る歩行者専用吊り橋
絶景スポット・アクティビティ
常陸太田駅からバス約40分
渡橋料 大人320円
8:30〜17:00(季節変動あり)
絶景・バンジージャンプ
紅葉シーズンの平日早朝が狙い目・朝霧と紅葉の共演が楽しめます
袋田の滝の裏側散策路
日本三名瀑のひとつとして知られる袋田の滝ですが、多くの観光客は正面の観瀑台から眺めるだけで帰ってしまいます。実は、滝の上流に続く「月居山ハイキングコース」を少し歩くだけで、滝を上から見下ろす絶景ポイントに到達できます。片道約30分の軽いハイキングですが、このルートを歩く人は全体の1割にも満たないと言われています。冬には滝が凍結する「氷瀑」も見られ、四季を通じて異なる表情を楽しめるのが大きな魅力です。
日本三名瀑を上から見下ろす秘密のルート
自然散策・ハイキング
袋田駅からバス約10分
観瀑トンネル利用料 大人300円
上流ルート往復約1時間
滝・紅葉・氷瀑
冬の氷瀑は1〜2月が見頃・軽登山靴があると安心です
チームラボ 幽谷隠田跡(北茨城市)
北茨城市の廃棄された棚田跡地に誕生した、チームラボの常設アート施設です。都市部のチームラボ施設とは全く異なり、大自然そのものがキャンバスになっています。山間の谷あいに広がる棚田に、デジタルアートが溶け込む光景は、ここでしか体験できません。
東京のお台場や豊洲のチームラボには長蛇の列ができますが、北茨城まで足を延ばす人はまだ少なく、比較的ゆったりと鑑賞できるのが最大のメリットです。自然の中を歩きながらアートを体感するスタイルなので、スニーカーなど歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
廃棚田に溶け込むデジタルアートの新体験
デジタルアート・自然体験
JR大津港駅から車で約10分
大人1,600円〜(時期により変動)
季節により変動・公式サイト要確認
デジタルアート・自然融合型
夕暮れ時の訪問がベスト・自然光からデジタル光への移り変わりが幻想的
県央エリアで見つける隠れた名所

水戸市を中心とする県央エリアは、偕楽園や千波湖など定番スポットが集中する地域です。しかし、少し視点をずらすだけで、地元の人しか知らないような穴場に出会えます。関東エリアの日帰り旅行の候補としても、県央エリアはアクセスの良さが際立ちます。
水戸市 保和苑とその周辺
偕楽園に観光客が集中する一方で、水戸市内の保和苑(ほわえん)はほとんど注目されていません。約6,000株のあじさいが植えられたこの庭園は、6月中旬から7月上旬にかけて見事な花を咲かせます。隣接する回天神社や水戸藩の史跡と合わせて散策すれば、歴史と自然を同時に楽しめる贅沢な時間を過ごせます。入園無料というのも嬉しいポイントです。
約6,000株のあじさいが咲く無料庭園
庭園・あじさい・歴史散策
水戸駅からバス約15分
入園無料
6月中旬〜7月上旬
あじさい・歴史散策
あじさい祭り期間中の平日午前が空いていて撮影にも最適
笠間市 笠間芸術の森公園と陶芸体験
笠間焼で知られる笠間市ですが、観光客の多くは笠間稲荷神社を参拝して帰ってしまいます。笠間芸術の森公園内にある茨城県陶芸美術館や、周辺に点在する窯元では、実際に陶芸体験ができるところも多く、自分だけのオリジナル作品を作れます。毎年ゴールデンウィーク前後に開催される「笠間の陶炎祭(ひまつり)」は約200の窯元が出展する大規模イベントですが、祭り期間外に個別の窯元を訪ねると、作家さんと直接話しながらじっくり作品を選べる贅沢な時間が待っています。
窯元を巡って自分だけの笠間焼を作れる
陶芸体験・アート・文化
笠間駅からバス約5分・車の場合は無料駐車場あり
陶芸体験 約2,000〜4,000円
体験約1〜2時間・散策含め半日
笠間焼・陶芸体験
陶炎祭の時期を外した平日に窯元巡りがベスト・作家との会話も楽しめます
県南エリアの穴場で自然と歴史を満喫

つくば市や土浦市を含む県南エリアは、東京からのアクセスが最も良い地域です。つくばエクスプレスを使えば秋葉原から最速45分。東京からの日帰り旅行としても気軽に訪れられるエリアですが、筑波山以外にも魅力的な穴場が隠れています。
筑波山の裏登山道と薬王院コース
筑波山は茨城を代表する観光名所ですが、多くの人が利用するのは筑波山神社側からのメインルートです。実は、山の北側にある「薬王院コース」は登山者が格段に少なく、静かな山歩きを楽しめます。ブナの原生林が残る登山道は、特に新緑の5月と紅葉の11月が美しく、メインルートの混雑を避けながら同じ山頂の絶景を味わえます。
登山者が少ない筑波山の裏ルート
登山・ハイキング・自然
つくば駅から車で約30分(薬王院入口)
無料(駐車場は周辺施設による)
片道約2時間(中級者向け)
登山・原生林・絶景
5月の新緑シーズンの早朝出発がベスト・登山靴は必須です
牛久大仏と周辺の花畑
高さ120メートルという世界最大級のブロンズ立像として知られる牛久大仏。ギネスブックにも登録されたこの巨大仏像は、実は胎内に入ることができ、エレベーターで地上85メートルの展望台まで上がれます。晴れた日にはスカイツリーや富士山まで見渡せることも。
大仏の足元に広がる花畑は、春の芝桜やポピー、秋のコスモスが見事で、大仏と花畑を一緒にフレームに収められる撮影スポットとしてSNSでも注目が高まっています。周辺には小動物と触れ合えるエリアもあり、ファミリーにもおすすめです。
世界最大級の大仏の胎内に入れる唯一無二の体験
巨大仏像・花畑・ファミリー向け
牛久駅からバス約25分
大人800円(胎内含む)
9:30〜17:00(季節変動あり)
巨大仏像・展望・花畑
春の芝桜シーズン(4月下旬〜5月上旬)の午前中が撮影のゴールデンタイム
海沿いエリアの穴場絶景スポット

茨城県は太平洋に面した長い海岸線を持っていますが、海沿いの観光といえば大洗や国営ひたち海浜公園に集中しがちです。しかし、海岸線を少し北や南にずらすだけで、人の少ない絶景ビーチや独特の景観に出会えます。ドライブで海沿いを走りながら穴場を巡るのは、茨城観光の隠れた楽しみ方です。
五浦海岸と六角堂(北茨城市)
岡倉天心が愛した五浦(いづら)海岸は、太平洋の荒波が作り出した断崖絶壁の景観が見事です。天心が思索の場として建てた六角堂は、2011年の東日本大震災の津波で流失しましたが、その後再建され、現在は茨城県天心記念五浦美術館とともに訪れることができます。
断崖に立つ朱色の六角堂と太平洋の青のコントラストは、茨城県内でも屈指の絶景です。美術館では横山大観をはじめとする日本近代美術の名作を鑑賞でき、芸術と自然の両方を堪能できます。
岡倉天心が愛した断崖絶壁の芸術的風景
絶景・美術館・歴史文化
大津港駅からタクシー約5分
美術館 大人320円・六角堂 大人300円
9:30〜17:00(月曜休館)
海岸絶景・日本近代美術
午後の西日が六角堂を照らす時間帯が最も美しい・チームラボとセットで巡るのが効率的
国営ひたち海浜公園の穴場エリア
ネモフィラやコキアで全国的に有名な国営ひたち海浜公園ですが、実は園内には観光客がほとんど訪れない穴場エリアがあります。みはらしの丘に人が集中する一方で、園内南側の「砂丘エリア」や「樹林エリア」はほぼ貸し切り状態になることも珍しくありません。
砂丘エリアでは太平洋を一望できるサイクリングコースがあり、レンタサイクルで風を感じながら走る爽快感は格別です。ネモフィラの見頃(4月中旬〜5月上旬)やコキアの見頃(10月上旬〜中旬)の時期でも、砂丘エリアなら混雑を避けて楽しめます。
超人気公園の中にある誰も来ない穴場ゾーン
サイクリング・砂丘・海の絶景
勝田駅からバス約20分・海浜口が砂丘エリアに近い
入園料 大人450円・レンタサイクル別途
9:30〜17:00(季節変動あり)
サイクリング・砂丘散策
海浜口から入園して砂丘エリアへ直行・メイン入口の混雑を完全に回避できます
季節別に楽しむ茨城の穴場ガイド
茨城県の穴場スポットは、訪れる季節によって全く異なる表情を見せます。せっかく足を運ぶなら、各スポットのベストシーズンを押さえておきたいところです。
茨城穴場スポット 季節別ベストタイミング
春(3月〜5月)は茨城の穴場巡りに最も適した季節のひとつです。偕楽園の梅が終わる3月下旬から桜のシーズンが始まり、4月中旬にはネモフィラが見頃を迎えます。穴場を狙うなら、牛久大仏の芝桜や筑波山の新緑がおすすめ。ゴールデンウィーク前後の笠間の陶炎祭も見逃せません。
夏(6月〜8月)は保和苑のあじさいが主役です。梅雨の時期でもあじさいは雨に映えるため、天候を気にせず楽しめるのが嬉しいポイント。夏本番になったら、海浜公園の砂丘エリアでのサイクリングが爽快です。
秋(9月〜11月)は茨城の穴場が最も輝く季節と言えるかもしれません。竜神大吊橋の紅葉、袋田の滝の秋景色、海浜公園のコキアと、見どころが目白押しです。特に11月上旬は県北エリアの紅葉が最盛期を迎えます。
冬(12月〜2月)は観光客が最も少なくなる時期ですが、袋田の滝の氷瀑は冬ならではの絶景です。2月になると偕楽園の梅が咲き始め、早春の訪れを感じられます。
目的別おすすめの穴場の選び方
同じ穴場スポットでも、誰と行くか、何を楽しみたいかによって最適な場所は変わります。ここでは目的別におすすめの組み合わせをご紹介します。
ファミリーで楽しむなら
お子さん連れの場合は、牛久大仏(小動物ふれあい+花畑)→笠間の陶芸体験という組み合わせが鉄板です。どちらも広い駐車場があり、車でのアクセスが便利。陶芸体験は小学生以上なら十分楽しめますし、自分で作った器は最高のお土産になります。電車で行ける関東のおもしろスポットを探している方にも、つくばエクスプレス沿線のスポットは選択肢に入るでしょう。
カップルのドライブデートなら
五浦海岸の六角堂で絶景を楽しんだ後、チームラボ幽谷隠田跡でアート体験という流れがおすすめです。どちらも北茨城市内にあるため移動が少なく、午後から夕方にかけてゆったり過ごせます。帰りに大洗で海鮮を食べて帰るルートも人気があります。
ひとり旅でじっくり堪能するなら
筑波山の薬王院コースでの静かな登山や、笠間の窯元巡りは、ひとりだからこそ自分のペースで楽しめるスポットです。特に笠間の窯元は、ひとりで訪れると作家さんとの会話が弾みやすく、作品の背景にある物語を聞けることも。京都の穴場スポットのように、人が少ない場所でこそ深い体験ができるものです。
茨城穴場ドライブの効率的なモデルコース
茨城県の穴場スポットは広範囲に点在しているため、車での移動が基本になります。ここでは、1日で効率よく回れるモデルコースを2パターンご紹介します。
県北満喫コース(所要時間約8〜9時間)
県南日帰りコース(所要時間約6〜7時間)
初めての方へのおすすめ
初めて茨城県の穴場スポットを訪れる方には、以下のスポットから始めることをおすすめします:
🏆 牛久大仏
東京から車で約1時間とアクセスが良く、巨大仏像の胎内拝観・花畑・小動物ふれあいと多彩な体験が一カ所で楽しめます。ファミリーからカップル、ひとり旅まで誰でも満足できる万能スポットです。
🥈 国営ひたち海浜公園の砂丘エリア
ネモフィラやコキアを見に行くついでに、砂丘エリアまで足を延ばすだけで穴場体験ができます。初めての方でもアクセスしやすく、「定番の隣にある穴場」を体感するのに最適です。
🥉 チームラボ 幽谷隠田跡
茨城の新しい魅力を象徴するスポット。都心のチームラボとは全く異なる自然融合型のアート体験は、「茨城にこんな場所があったのか」という驚きを与えてくれます。五浦海岸とセットで訪れるのが効率的です。
よくある質問
茨城県の穴場スポットは車がないと行けませんか
県南エリアの牛久大仏や筑波山はバスでもアクセス可能ですが、県北エリアの穴場スポットは車がないと効率的に回るのが難しいのが現実です。レンタカーを利用するか、水戸駅や日立駅を拠点にしてタクシーを組み合わせる方法もあります。電車で行ける関東の楽しいスポットも参考にしながら、公共交通機関で行ける範囲を事前に確認しておくと安心です。
子連れで楽しめる穴場スポットはどこですか
牛久大仏は小動物ふれあいエリアや広い花畑があり、小さなお子さんでも飽きずに過ごせます。笠間の陶芸体験は小学生以上であれば十分楽しめますし、自分で作った器を持ち帰れるので思い出にもなります。国営ひたち海浜公園のレンタサイクルも家族で楽しめるアクティビティです。
雨の日でも楽しめる穴場はありますか
チームラボ幽谷隠田跡は雨天でも開催していることが多く、雨に濡れた自然とデジタルアートの融合はむしろ晴れの日よりも幻想的だという声もあります。また、茨城県天心記念五浦美術館や茨城県陶芸美術館は屋内施設なので天候に左右されません。保和苑のあじさいも、雨の日にこそ美しさが際立ちます。
茨城の穴場スポット周辺でおすすめのグルメはありますか
県北エリアでは常陸秋そばが名物で、袋田の滝周辺に複数の蕎麦店があります。大洗方面では海鮮丼やあんこう鍋(冬季)が有名です。笠間エリアでは笠間いなり寿司が名物で、各店舗がオリジナルの変わり種いなりを提供しています。穴場スポットと合わせてご当地グルメを楽しむと、旅の満足度がぐっと上がります。
紅葉シーズンの混雑を避けるコツはありますか
紅葉シーズンでも平日に訪れるだけで混雑は大幅に緩和されます。特に竜神大吊橋や袋田の滝は、週末と平日で体感する混雑度が全く異なります。週末しか行けない場合は、朝9時前に現地に到着するスケジュールを組むのがコツです。また、メインの紅葉スポットから少しずらした場所(例:袋田の滝の上流ルート)を選ぶだけでも、人の少なさに驚くはずです。
茨城県の穴場スポットは、知れば知るほど奥が深い場所ばかりです。都道府県魅力度ランキングの順位とは裏腹に、実際に訪れてみると「なぜもっと早く来なかったのだろう」と感じる方が多いのではないでしょうか。定番の観光地だけでは味わえない、静かで豊かな茨城の魅力を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。